2013年10月13日日曜日

【書評】伝え方が9割 佐々木圭一氏(コピーライター )




 「9割は言い過ぎでは・・」と思って読んだのですが、「伝え方が9割5部」でもおかしくないくらい、“伝える技術”の重要性について腑に落ちる本でした。

世の中には、なぜか、心に“刺さる”言葉があります。

例えば・・
「考えるな、感じろ」燃えよドラゴン
「死ぬことに意味を持つな。生きるんだ!」3年B組金八先生
「ちっちゃな本が、でかいこと言うじゃないか」講談社文庫広告
「別れることがなければ、めぐり会うこともない」西洋のことわざ
「マフィアが少年聖歌隊に見るほどの巨悪組織」ピーター・セラーズ(ピンクパンサー)
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」踊る大捜査線

 こういった人の心を動かすコトバについて、どんなテクニックが使われているのか、そして日々の生活や仕事で役立てるためにはどう使えばよいのか、について丁寧に解説されています。

少し本の内容に触れてみましょう。

 先に挙げた6つのコトバ(太字)をもう一度読んでみて下さい。一見、全く違います。単語はひとつも同じではありません。
しかし、この本の中で佐々木氏は以下のような“構造”に着目します。

「考える⇄感じる」
「死ぬ⇄生きる」
「ちっちゃな⇄でかい」
「別れる⇄めぐり合う」
「マフィア⇄少年聖歌隊」
「会議室⇄現場」

 別に「事件は現場で起きているんだ!!」だけでも伝わるのに、なぜか正反対の「会議室」を並べている。。この“比較対象”があることによって、コトバは不思議と私たちの心をグッとつかみます。佐々木氏はこれを「ギャップ法」を名付けています。

有名どころで言えば、他にも以下のコトバが「ギャップ法」を使った例になります。

  • 「No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」世界に一つだけの花
  • 「お前の為にチームがあるんじゃねぇ!チームの為にお前がいるんだ!!」『SLAM DUNK』安西先生
  • 「高く、堅い壁と、それに当って砕ける卵があれば、私は常に卵の側に立つ」村上春樹(エルサレム賞受賞スピーチ)


 では、日常生活で使うための練習をしてみましょう。以下の言葉をより“心に刺さる”コトバにするにはどうすればよいでしょうか。

①あなたが好き。
②これは、あなたの勝利だ。
③私は味方です。
④ここのラーメンはうまい。

 答えは以下になります。ポイントは、伝えたい事の前に正反対のワード(青字)を入れる事です。

嫌いになりたいのに、あなたが好き
②これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。
③誰もがになっても、私は味方です。
④他の店がまずく感じるほど、ここのラーメンはうまい

 いかがでしょうか?伝えたい事の前にギャップを追加するだけで、伝わる重さが違いませんか?

 この「ギャップ法」は本の一例です。その他にもページをめくるごとに"目からウロコ"的な発見があるので、ぜひご一読されることをお勧めします。

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