2014年9月30日火曜日

環境・エネルギーと世界情勢のトレンドを把握するために役立つサイトまとめ

 世の中の動きを理解するためには、まずは個々の出来事を「知る」ことからはじめなくてはいけない。筆者のようにエネルギー関連の仕事をしていると、世界のエネルギートレンドを把握するためには、新聞だけでは足りず、様々な情報源から「質の高い」情報を入手することが必要となる。本稿では、世の中全体の動きと、環境・エネルギー分野の動向を知るために有益なニュースサイトをまとめてみた。



ニュース全般


日本経済新聞 http://www.nikkei.com/#!/


 ビジネスパーソンとして最も代表的とも言える情報源。他の新聞紙に比べ企業情報やマーケット情報が充実しており、お金や各プレーヤー(企業)の動向を把握することができる。


Bloomberg 日本語版 http://www.bloomberg.co.jp/news/markets/energy.html 


 Bloombergは、経済・金融情報の配信、通信社・放送事業を手がけるアメリカ合衆国の大手総合情報サービス会社である。世界各国の経済、投資、エネルギーに関するあらゆるニュースを日本語でも読むことができ、「海外目線」での「海外動向」を把握することができる。


ロイター通信 日本語版 http://jp.reuters.com/


 ロイターは全世界に通信網を持つ英国の通信社であったが、2008年にカナダのトムソンに買収され、現在はトムソン-ロイターとして学術情報、知的財産、ライフサイエンスに関する情報発信を行っている。上述のBloomberg同様、「海外目線」でのあらゆる分野のニュースを読むことができる。エネルギーというカテゴリーはないが、定量的なデータやマップを多く用いており、非常に理解しやすいサイトとなっている。


 日本をより相対的に、また客観的に見るために、海外の国のニュースを読んで、「日本がどのように見られているか」を知ることは重要である。インターネット上には、日本語で読める各国内の情報誌が複数ある。もちろん、毎日読むことは難しいが、時々目を通すだけでも勉強になる。
 例えば、元日銀総裁の白川方明氏は、日本国内ではあまり評価されていない一方で、海外では比較的高く評価されているなど、国内の報道に踊らされないためにも役に立つ。

米国

The Wall Street Journal 日本語版 http://jp.wsj.com/home-page


 ダウ・ジョーンズ社が発行する国際的な影響力を持つ日刊経済新聞。有料だが、概要(一部)は無料で読むことができる。見出しを一読するだけでも、世界の何が注目されているかを把握することができる。


中国

人民日報 日本語版 http://j.people.com.cn/


 中国共産党の日刊機関紙の日本語ニュースサイト。


韓国

朝鮮日報 日本語版 http://www.chosunonline.com/news/index.html


 韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報の日本語ニュースサイト。


ロシア

ロシアの声 日本語版 http://japanese.ruvr.ru/


 ロシア国営ラジオ局の日本語ニュースサイト。




環境・エネルギー


環境ビジネス http://www.kankyo-business.jp


 環境エネルギー分野のビジネスに関する代表的な情報誌。再生可能エネルギーから廃棄物、省エネなど、幅広い分野に置ける政府や企業の動向を知ることができる。主に国内ニュースが中心。有料会員になるとトップランナーや有識者による質の高いコラムを読むことができる。

 環境・エネルギーの情勢を理解する上で、やはり国内だけではなく、「世界全体」の動きを知る必要がある。環境やエネルギー分野の国際動向を日々発信する優良サイトを以下にまとめてみた。


Renewable Energy World  http://www.renewableenergyworld.com/rea/home


 再生可能エネルギーに特化した国際情報サイト。一般的なニュースサイトと異なり、「再エネ」ではなく、「Solar」、「Wind」、「Geothermal」といった細かなカテゴリーで詳細なニュースを提供している。「News」だけでなく、「Opinion」や「Technology」など非常に情報量が多いサイトだが、ホームページの「News」欄だけ毎日眺めるだけでも、各エネルギーに関する動向を把握するのに役立つ。


Bloomberg(Energy) http://www.bloomberg.com/sustainability/energy/


 BloombergのHPでは金融、投資、経済に関する詳細なニュースを発信しているが、エネルギーに関するニュースも一読の価値がある。英語版のHPでは先に述べた日本語版ではピックアップされていない重要なニュースが数多く掲載されている。内容としては、再生可能エネルギーよりも化石燃料が多い。経済情勢と絡めた各国の思惑から論じることが多く、他のニュースサイトより「深く」エネルギーを読むことができる。


EIA(米国エネルギー情報局) http://www.eia.gov/todayinenergy/


 米国政府機関であるEIAが発信するニュースページ。米国内だけでなく、世界各国のエネルギーに関する政府の重要な決定や、動向を知ることができる。全文を読まなくても分かりやすいグラフ等でビジュアライズされており、非常に理解しやすい。ちなみにEIAは世界各国のエネルギーに関する概要および統計を公表しており、各国のニュースと併せて読むとためになる。


Forbes http://www.forbes.com/energy/


 Forbesはニューヨークに拠点をもつ世界有数の経済誌。経済情勢からスポーツや音楽まで様々な情報を当サイトでは掲載している。エネルギーに関しては、世界の主なプレーヤーの動き等のプレスリリース的なニュースだけでなく、最近のトレンドについても発信している。本稿で取り上げている英語サイトのうち、最も英語が平易で読みやすい。


Green Car Congress http://www.greencarcongress.com/


 主に次世代自動車に関する技術的な動向を掲載しているサイト。かなりマニアックな情報が多い上、英語の文章としても難解であるが、他では決して拾わない詳細な動きを迅速にピックアップしている優れたサイト。自動車のテクノロジーだけでなく、再エネ全般、政府の重要な決定や国際機関の研究成果までカバーしているので、興味のある分野についてカテゴリー別に検索して情報を仕入れるのが良い。


IEA(国際エネルギー機関) http://www.iea.org/newsroomandevents/


 世界のエネルギー情勢を知る上で最も重要な組織と言っても過言ではないIEAのHP。「Press releases & top news」では、毎月2本程度、世界のエネルギー情勢に関する記事が発表されるので、短期的な動向を知るのに便利。IEAは、業界では最も信用力のあるといえる「World Energy Outlook」をはじめ有料のレポートを多く発表する一方で、各国のエネルギー動向やトピックごとの情勢、各種統計など、無料でもかなり質の良い情報を提供している。


World Resources Institute  (世界資源研究所:WRI) http://www.wri.org/


 WRIは、ワシントンDCに拠点を有する地球の環境と開発の問題に関する政策研究と技術的支援を行う独立機関。国連環境計画(UNEP)、国連開発計画(UNDP)、世界銀行などの共編により、2年に一度「世界の資源と環境(World Resources)」を出版している。「News」では毎月1〜2本程度、気候変動から貧困まで幅広いトピックについて、短期的なトレンドを発表している。



 上述のページにどれほど重要な情報が載っているとしても、英文ではなかなか抵抗感があるし、時間もかかると言う人も少なくないだろう。以下のサイトは、海外ニュースを迅速に日本語訳して発表している。


EICネット http://www.eic.or.jp/


 一般社団法人の環境イノベーション情報機構が運営するサイト。国内外の環境・エネルギー分野の日々のニュースが公表されている。海外ニュースについては、4〜5行で要約されており、英語のサイトをあちこち読む余裕がない時に、概要を把握するのに役立つ。


環境展望台 http://tenbou.nies.go.jp/


 一般社団法人国立環境研究所が運営するサイト。EICネットと同じく国内外の日々のニュースを掲載している。再エネよりは、地球温暖化や生物多様性等の「環境」分野の情報が多い。同サイトでは各環境技術やトピックに関する概要ページがあり、一読するだけでも勉強になる。



その他


経済レポート http://www3.keizaireport.com/

 こちらはニュースではないが、各調査会社や政府が発表するレポートを入手することができる。情報の迅速性が非常に高く、「よくこれを見つけたな」と思うくらい、幅広い情報源から有益なレポートをピックアップしている。日々のニュースではなく、より編集された知識を手に入れるために大変重要なサイト。




 もちろん筆者も毎日すべてのサイトに目を通しているわけではないが、時間を見つけてできる限り様々な情報を得るように努めている。
 記事を読むことよりもはるかに重要なのは、ニュースを読んで「何を考えるか」であり、本稿で紹介するのは、「自分で考える」きっかけを提供する情報源という位置づけであることを強調したい。


2014年6月15日日曜日

教養は「何のため」か

 前回、 教養に関する3つの疑問 ①「なぜ学ぶ必要があるのか」、②「どうやって身につければよいのか」、③「そもそも教養とは何か」のうち、③について、教養とは「『人間性』や『人格』と結びついた知識である」ということを述べた。

 本稿では①「なぜ教養学ぶ必要があるのか」について、「ビジネスマンにとっての意義」という切り口で考察してみたい。


(出典)http://free-photos.gatag.net/tag/%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8


2014年6月4日水曜日

「教養とは何か」について考えてみる


(出典)GATAG
http://free-photos.gatag.net


 「教養を身につけた方がいい」と言われたことはないだろうか。決して注意喚起という意味ではなくても、「教養の重要性」を語る声は、大学時代の学部の先生や会社の上司、NHKや書店の平積みの本の中から日常的に聞こえてくる(少なくとも筆者の周りでは)。

 ありふれたメッセージであるにもかかわらず、教養の習得をリコメンドされたときに、「よし、明日から教養を身につけよう!」と昂揚する人は希有である。おっしゃる意味がよくわからないからだ。

 一般的に、脈絡なく「教養を身につけろ」と言われた場合、意識・無意識は別として次の3つの疑問が生じる。「なぜ?」「どうやって?」「そもそも教養って何?」。。


教養とは何か


 「そもそも教養って何?」という疑問は特に重要である上、難しい。「教養」という言葉自体、「愛」とか「幸せ」と同じようにあまりに漠然としている。具体化するために質問を少しずらして「『教養のある人』とはどんな人か?」について考えてみる。


教養のある人とはどんな人か

 やや主観的ではあるが、例えば普通の会社のサラリーマンでいながら、能や茶道に精通していたり、ローマ帝国の五賢帝をそらで言えたり、休日にアリストテレスの『ニコマコス倫理学』を読んでいるような「幅広い知識」を持った人は「教養のある」人と認識される可能性が高い。

 しかし、日本語の権威である広辞苑によると「幅広い知識」だけでは足りないらしい。

2014年5月23日金曜日

C世代に迫るスマホ・ネット依存症の脅威 その2

 前回は、現代の日本社会に生きる人々、とりわけC世代に欠かせないインフラとなったスマートフォンとインターネットに潜む「依存」の危険性について述べた。本稿では、パソコンやスマホが我々の「脳」に与える影響について考察したい。


ネットとスマホが与えるマイナスの影響

 現在、各国の研究者の間でパソコンやスマホが脳にもたらす影響について研究が進められているが、主なものは以下の3つである。

2014年5月14日水曜日

C世代に迫るスマホ・ネット依存症の脅威 その1

 最近「C世代」という言葉をよく耳にするようになった気がする。以前も本ブログにて記事を書いたが、「C世代」とは、常に仲間(Community)繋がって(Connected)いて、会話好き(Communication)で、貢献意欲が強く(Collaboration)変化を求め(Change)創造性豊かな(Create)10代、20代の若者たちを指す。

 他の世代よりも、はるかにスマホやネットなどのITスキルが高く、それを活かした行動力やコミュニケーション力が光る世代だが、今回と次回では、C世代が抱える闇の部分に触れてみようと思う。



(出典)http://jp.freepik.com/free-photo/smartphone_527946.htm

 さて、今週の日経新聞に掲載された以下の記事を読んでもらいたい。

2014年5月4日日曜日

【書評】チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド by 東浩紀 〜 チェルノブイリの事例から福島第一原発の「観光地化」を考える 〜


(出典)東京電力

「福島第一原発観光地化計画」という言葉をご存知だろうか。

 あの禍々しい事故から3年、東京電力が未だ後処理の目処すら立たない中、「福島第一原発を観光地にしよう」という動きをしている人たちがいる。

 著名な思想家・作家・評論家の東浩紀氏らは、数年前から水面下で構想を組み立てている。

福島第一原発観光地化計画 Facebookページ
https://www.facebook.com/fukuichikankoproject

 「事故現場を見せ物にするな」と思うかもしれない。また、「観光地にするまでもなく、あの事故を忘れることなどあるものか」と言う人もいるだろう。

 しかし、当事者でなければ、どんな歴史的事故でも一定期間経てば記憶から消去されてしまう。実際、1986年に福島と同じ歴史的原発事故が発生したチェルノブイリでも、約30年経過した今、多くのロシア人とウクライナ人の記憶から徐々に薄れつつあるようだ。


チェルノブイリの「今」

 その現象に歯止めをかけるため、チェルノブイリ市が3、4年前から始めたのは原発周辺地域の観光地化である。

2014年4月27日日曜日

【書評】反貧困 (湯浅 誠著) 〜知られざる日本の貧困問題〜

 「日本は豊かな国だ」という考えがいかに軽率であることか。本書を読みながら、後頭部を殴られた思いがした。そして、これまでずっとメディアや政府が提示する日本の姿を妄信し、「リアルな姿」から目をそらして来たこと痛感した。

 もちろん、日本が“いわゆる”「豊かな国」であることは依然として疑いようがない。GDPは世界3位、サラリーマンの平均年収は2012年末の時点で408万円。これは世界の上位0.83%に入る(※)。世界の平均“年収”が約10万円であることを考えると、日本は世界的に“稼いでいる”国と言える。

 こうした統計データに頼るまでもなく、「日本が貧しい国だ」と思わせる要素は微塵もない。街を歩いていてもすれ違うのは“普通の”(中流の)人ばかりであり、どの場所もきちんと整備され、スラム街もなければ物乞いに出会うこともない。


貧困大国「日本」

 しかし、そんな日本の水面下で今、「貧困問題」が社会を蝕みつつあるのだ。上に示した「稼ぐ国」のデータからは想像はつかないかもしれないが、日本の貧困率はOECD諸国内で米国に次いで第2位。まさに「貧困大国」といっても過言ではない(※※)。

2014年4月20日日曜日

【エネルギー】ウクライナ危機が世界のエネルギー需給に及ぼす影響について

ニュース概要

 ウクライナ危機をめぐって米国陣営とロシアとの対立が激化している。それにより、エネルギーの流れが変わる可能性が出てきた。現在、米国内を中心に、「米国産の天然ガスや原油を欧州連合(EU)諸国やウクライナに供給し、各国のロシア依存を解消しよう」といった議論が展開されているのだ。

 米国内で起きたシェールガス革命によって、欧州内でガス需要が減少したため、同地域のロシアに対するガス依存度は下がりつつある。米国は自国の資源を欧州にさらに輸出し、ロシアを欧州市場から閉め出すことでロシアに打撃を与えようと動き出している。


ニュースの位置分析

 このニュースを、システムシンキングを使って、現在の世界のエネルギー情勢の中で、どこに位置するかを把握してみたい。


図 世界のエネルギー情勢とウクライナ危機をめぐるシステムシンキング




2014年4月16日水曜日

【エネルギー】 エネルギー基本計画が閣議決定

ニュースの概要と所感

 政府は4月11日、新たな「エネルギー基本計画」を閣議決定した。今回の基本計画で最も重要なポイントは、民主党政権下で掲げた2012年9月に掲げた「30年代に原発稼働ゼロ」を完全に撤回したことである。

 自民党は基本計画の中で、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、長期的に活用していく方針を示した。同計画は、安全性が確認された原発から順次再稼働を進めるとしている。ただし、具体的な原発比率などの数値目標は記載されず、様々なステークホルダーに配慮したものと見られる。

 一方で、再生可能エネルギーは「2020年に13.5%、2030年に20%」という数値目標が掲げられ、今後も継続的に導入を促進する方向性を示した。

 ただし、依然として火力頼みの電力構成が続く内容となっており、原発の再稼働も含めると、再エネのトーンは震災直後のピーク時から縮小したと言える。



ニュースの位置分析

 このニュースを、現在の日本のエネルギー情勢の中で、どこに位置するかを把握してみたい。
 日本を取り巻くエネルギーの潮流を関係ループ図で示したものが以下の図である。




2014年4月12日土曜日

ロジカルシンキングの限界と複雑な現象を読み解くためのシステムシンキング その2

 前回の記事では、世の中の複雑で動的な現象を読み解くには、「AならばBである」という一般的なロジカルシンキングでは難しいということをお伝えしました。今回は、「動的な現象の表現方法」について考えてみたいと思います。

 本稿では、いかのようなケースを想定してみます。
ハンバーガー業界では、近年競争が激化しており、業界トップのX社ですら売り上げの減少に苦戦していた。こうした事態に対処するため、X社では商品(ハンバーガー)の大幅な価格ダウンを行い、マーケットシェアを激増させ、売り上げも回復させた。

ロジカルシンキング

 まず、上記現象をロジカルシンキングで考えてみます。一般的に「売り上げ」は以下のように要素分解されます。


売上高=価格×数量



 
 この式とロジックツリーは、売上高は数量と価格という2つの変数(いわゆるMECEな関係な変数)によって決定されるということを表しています。

 しかし、これでは「価格を下げることにより、売れる数量、マーケットシェアが変化した」ということを表現できません。

 本来、売上高のロジックツリーには、要素間に以下の図に示すような因果関係があるはずです。



2014年4月11日金曜日

ロジカルシンキングの限界と複雑な現象を読み解くためのシステムシンキング その1

 1ヶ月以上も更新を怠ってしまいました。毎回読んで下さっている読者の皆さんにはお詫び申し上げます。

 さて、しばらく記事を書かなかった、いや書けなかったのは、仕事の繁忙期であったこと(言い訳がましく恐縮です)に加え、「あること」に対する疑問を払拭できなかったからです。

 その疑問とは、「各ニュースを単一のStream(背景)だけで理解してよいのか」ということです。
 本ブログ「NEWstreamer」では、例えば「薬のネット販売解禁」というニュースに対し、

Stream① 政府の経済成長戦略(→それにより、薬のネット販売解禁)
Stream② 社会保障費の拡大(→それにより、薬のネット販売解禁)
Stream③ 少子高齢化(→それにより、薬のネット販売解禁)
Stream④ 医療大国を目指すための戦略(→それにより、薬のネット販売解禁)

というように、「A → B(AによってBが生じる)」という、直線的かつ単純な論理展開で表現してきました。言い換えれば、いわゆる「静的」で、Streamの時間的変化を無視した表現とういことになります。もちろん今でも記事でお示ししてきた背景はいずれも的を外しているとは思っていません。

2014年2月22日土曜日

C世代としての私のこだわり「anti-"Connected"」 #ブロガソン

 以前、「C世代」が動き出す 〜“デジタルネイティブ”がリードする社会へ〜 という記事を書いた。その時は、自分のクリエイティビティを活かして起業した15歳の椎木里佳さんの活動を紹介した。本稿では「自分は「C世代」なのか」ということについて言及してみたい。

一度、「C世代」について復習してみる。


  • Connected(常にみんなとつながっている)
  • Community(共同体を形成する)
  • Change(変化・新しいものを好む)
  • Create(創造性がある)
  • Communication(会話好きな)
  • Collaboration(みんなと協力する)
  • Contribute(貢献意欲の高い)
  • Casual(四角ばらない)
  • Cameleons(自分のキャラを変化させる) 等

 上記の中で、自分が持っている性質を自問自答してみると、

Change:変化・新しいものが大好きだ。同じジュースは2度と買わない。
Contribute:一応社会のために役立ちたいと思っている。ボランティアもしたし。
Community:仲間を作って何かをしている。このブロガソンもしかり。
Cameleons:自分のキャラが人によって違う気がする。友人より、多重人格という説も。

 加えて、このブログのように何か記事を書いて、自分と関わりのない人に対して情報発信を行っている(およびそれが楽しいと感じる)ことからも、おそらく自分は「C世代」なのだろう。

 しかし、筆者自身が「C世代」であると言い切るのに一瞬躊躇したのは、C世代が持つ最も代表的な性質を有していないからだ。それは

2014年2月9日日曜日

【書評】 堀江貴文「ゼロ」 〜成功とはチャレンジ × 全力疾走〜






 久々に心に「刺さる」ビジネス書を読んだ気がする。

 堀江氏のこれまでの紆余曲折な人生を回想するとともに、数々の失敗や成功から自らが学んだことを、若い世代に懸命に伝えようとする「心意気」が感じ取れる。ストーリーとしても面白いし、ビジネスマンとして働く上でも大いに勉強になる本であった。

 ライブドア時代、メディアが取り上げる堀江氏、否、ホリエモンは、いわゆる「カネの亡者」として世間の目に映っていた。しかし、テレビ局の買収にしても、衆院選屁の出馬にしても、「カネ」ではなく本気で「世の中を良くしたい」という誠実な思いから行動していたのだと読んでいてわかった。

 糸井重里は対談のなかで、堀江氏のことを「ひとを幸せにする本気でおせっかいな人」と評している。加えて「それだけおせっかいなら、そりゃあ、波風立つよ」とも。

 たしかに、その「おせっかい」のせいで栄華を極めた日々は「ゼロ」に帰してしまう。しかし、その「ゼロ」から再び最初の「イチ」を始めようとする堀江貴文(ホリエモンではない)のメッセージは極めて洗練されている。




 以下、筆者がこの本の中で特に印象的だった4つの学びを記す。

2014年1月31日金曜日

都知事選とB層について 〜細川氏、都知事選立候補を表明〜

ニュース概要

 細川護熙元首相(76)は22日、東京都庁で記者会見し、23日告示の東京都知事選への立候補を正式に表明した。会見で、細川氏は「政府が原発を再稼働させようとしていることに危機感を覚えたことが出馬を決めたきっかけだ」と説明。「力を尽くして東京を良い方向に進め、国のありようにも、もの申したい」と述べた。
(1/22 日経新聞 朝刊より)





ニュース詳細↓

日本経済新聞(2013年1月22日)細川氏、都知事選立候補を表明 原発に危機感
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2203A_S4A120C1000000/

日本経済新聞(2013年1月15日)細川氏、出馬を表明 都知事選 小泉氏が支援、脱原発訴え
http://www.nikkei.com/article/DGXDASFS1401D_U4A110C1MM0000/

日本経済新聞(2013年1月23日)細川氏「原発ゼロ何よりも大事」 都知事選 
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG23028_T20C14A1CC0000/



このニュースの背景(Why?)

 このところ街に出る度、騒がしいマイク音声が耳につく。2月9日の都知事選を控え、16人の候補者がしのぎを削って演説を繰り返しているようだ。今回の都知事選はいつもと少し様子が異なり、都民のみならず、全国からの注目度も高いらしい。

 それもそのはず、2020年に開催される夏季五輪を成功させられるか、同時に本格的な少子・高齢社会に突入する「2020年」の首都の姿をどう描くかが問われる重要な選挙だからだ。しかし、都政の課題をよそに、国のエネルギー政策の是非を巡る元首相の発言に注目が集まっている。


 「原発ゼロが何よりも大事だ」

 元首相の細川護熙氏はそう訴える。その背後にいるのはもう一人の元首相である小泉純一郎氏である。

 小泉氏といえば、「郵政民営化に賛成か、反対か」の一点張りの選挙演説を思い出す。彼がバックアップに回った今回の細川元首相の演説は、小泉氏のそれと酷似している。


「原発を即時ゼロにするか、再稼働か」

 東京都知事を決める選挙であるにもかかわらず、なぜか論点が「原発」限定になっている。小泉氏が選挙で勝つために、論点を郵政民営化のみに絞り、(小泉氏の他の政策は気にもとめず)郵政民営化にとりあえず賛成する民衆の票をごっそりつかんだ時と同じやり方である。
(実際細川氏は都の他の政策のことをほとんど考えておらず、原発以外の政策についての発表を延期に延期を重ねていた。)

 ここで細川氏と小泉氏の政策内容に焦点を当てたりはしないし、個人的に興味はない。筆者が着目するのは彼らのマーケティング手法だ。

2014年1月13日月曜日

「C世代」が動き出す 〜“デジタルネイティブ”がリードする社会へ〜

ニュース概要

 JK(女子高生)のカワイイ文化を世界に――。都内の私立女子高に通う椎木里佳さん(16)が株式会社AMFを設立したのは2013年(中学3年時点)のバレンタインデーのことであった。
 資本金は45万円。15年間の全貯金でも足りず、一部は父親から借りた。設立目的は「テレビ番組の制作」「日用品雑貨の企画」などと記入した。
 15歳だった彼女は起業の壁を「渋谷に遊びに行くくらいの感覚」で軽やかに越えた。(1/9 日経新聞 朝刊より)

株式会社AMF 概要

 2013年2月14日設立。“世界の10代を元気にしたい”をモットーに、日本のJKのかわいい文化を発信するための企画、制作、番組出演などを行っている。
 社長の椎木里佳氏は、2012年5月サイバーエージェントから女子中高生向けサービスのアドバイザー起用され、スマホ用アプリ「JKめざまし」を開発。米国や台湾のCATV局もJK文化のネット動画を買いたいと打診している。

ニュース詳細↓

日本経済新聞(2013年1月9日) 恐るべき子どもたち 次代の寵児か、あだ花か
http://www.nikkei.com/article/DGKDASM10700N_X00C14A1MM8000/




このニュースの背景(Why?)

 「最近の“若者”はすごいな・・・」と(一応)若者ながらに感嘆してしまったニュースであった。椎木里佳さんは1997年生まれ。筆者のちょうど10年下である。「中学3年で起業」なんて、おそらく10年前では考えられなかったニュースではないだろうか。

 自分が中学3年生の時をふと思い出す。当然ながら、自分で会社を作ろう(今の僕が作れる)なんて概念すら1ピコグラムも存在しなかったし、「世界を元気にしたい」とか「社会にメッセージを発信したい」なんて思いも脳裏をよぎることすらなかった。

 「中学3年で起業」というニュースは椎木さん“個人”からわき起こったニュースだろうか?察するに、彼女自身、意識が高く視野も広い、相当しっかりした女性なのだろうが、やはり一つの社会現象として捉えるのが妥当であろう。

 着目すべきは椎木さんをはじめ、今どきの若者達が「C世代」に属するということである。

2014年1月3日金曜日

20代をどうすごすか 〜メグ・ジェイ氏「“30代は20代みたいなもの”じゃありません」のプレゼンから〜


 2014年が始まった。筆者にとっては26歳、つまり20代後半に差し掛かる年ということで、この正月にはいつもとは違う“重さ”が感じられた。そして、来月26歳を迎えるにあたり、20代の後半戦をどのように過ごすかを再考せずにはいられなかった。

 そんな中、つい昨日であるが、20代の過ごし方に関して一つのヒントとなるプレゼンテーションに出会ったので、本稿ではそれを紹介したい。

 プレゼンテーションタイトルは「 Why 30 is not the new 20」。直訳すると「“30代は20代みたいなもの”じゃありません」

 「どういうこと?」と一瞬思われるタイトルのプレゼンをしてくれたのは、バージニア大学の心理学者であるメグ・ジェイ氏である。

 彼女はカリフォルニア大学バークリー校で臨床心理学とジェンダー学の博士号を取得し、現在はバージニア大学で臨床心理学を教える傍ら、私設のクリニックで患者を診ている。20代の患者や学生を指導した経験を基に、TEDカンファレンスおよび自身の 著書「The Defining Decade」で20代で自分に投資する事の重要性を訴えた。

 まずはプレゼンテーションを見て頂きたい。




(出典)TED  http://www.ted.com/talks/meg_jay_why_30_is_not_the_new_20.html

  メグ・ジェイ氏は兎にも角にも「20代で自分自身に投資をすること」の重要性を強調する。現在、結婚や出産、就職など様々なイベントが年齢的に遅くなっているのは周知の通りである。その実情は「まだ働かなくてもいい」とか、「結婚はまだ先でいい」と考える若者が日本でもアメリカでも増加しているのである。したがって、「20代はモラトリアム期間」として、「30代になったら・・・」と考える若者は決して少なくない。

 しかしメグ・ジェイ氏はこれを全否定する。「『30代になってから・・・』ではもう遅い」と。米国のあらゆる統計を分析した彼女は次のように主張する。


  • 人生の重大な出来事の8割は35歳までに起こる。
  • 生涯の賃金はキャリアの最初の10年で決まる。
  • 半数の人は30歳までに結婚相手に出会う。

 巷では「第2の人生」とか、「何かを始めるのに『遅い』はない」という言葉が飛び交っている。しかし、人間の脳は20代にピークを迎え、その後どんどん衰え、頭が固くなっていくのは事実。また、将来に何の恐怖もなく自分の直感に従って自分に投資できるのは20代ならではである。

 やりたい仕事をやるには「その前の準備」が重要、そしていい人と結婚して幸せに暮らす前には「結婚する前の努力」が重要、と彼女は言う。メグ・ジェイ氏が20代に伝えたいことは次の一言に尽きる。


Get identity capital ! (自分自身の価値を高めよ)

 「ではどうやって?」という質問に対して、彼女は以下の3つのポイントを提示している。